「コーヒーに含まれるカフェインという麻薬は、多くの人々を、当然眠っているべき夜に目覚めさせておく作用を持っています。もし、コーヒーが持つこの一つの不快な欠点(他にもまだまだあります)にお気づきなら、それだけで、コーヒーをやめてポスタムにすべきではありませんか?それには理由があるのです。」
「あなたの臆病な性格は、コーヒーの常用のせい?」
19世紀後半、こんな反コーヒー広告を出して、チャールズ・ウィリアム・ポストは成功を収めました。
代わりに飲めと勧めたのは、自身が発明した代用コーヒー「ポスタム」です。
1854年にイリノイ州スプリングフィールドで生まれたポストは、15歳で学校を辞め、10代のうちにカンザス州インディペンデンスで金物屋を始めました。一年後にはその店を売って利益の得た後、農具の巡回販売員として働き、それから自分で農機具を発明し製造して、種まき機や一人乗りの耕運機、砕土機、干し草積み機をはじめ、各種の耕作機械の特許を取りました。さらに、煙の出ない調理器具や水力発電機も発明したのです。
1895年に、ポストは穀物を主成分とする代用コーヒー「ポスタム」の製造に着手、新しい飲料で利益が上がる事が分かると、こんな宣伝をし始めた。
「いいですか。コーヒーと粗悪な食べ物をやめて、ポスタム穀物コーヒーをお使いになれば、あなたは普通の病気なら何でも治せるのです。」
つづく