1906年にはコーヒー業者の間で、ポスタムの成功に対する怒りが高まっていました。
ですが、当時のコーヒー広告の大半は、事態をいっそう悪化させるものばかりだったのです。
「アーバックルのコーヒーと言ったでしょう。」と広告に書かれていて、袋からコーヒーをまき散らして、夫の顎を殴りつける妻の姿が描かれていました。
そして「店が別の銘柄を寄こしたら、激怒して当然。」と書き添えられていたのです。
また、別会社の広告文では「それは粗悪品で、やがてあなたの胃腸や神経を損なう恐れがあります。」これは、その会社の以外のコーヒーは有害だと言っているようなものです。
また、ダーン・コーヒーのある広告は「もしあなたの神経と胃腸に大混乱を引き起こすとしたら、あなたがお使いのコーヒーは焙煎したてでないか、よく洗浄されていないか、正しく調合されていないからです。」というわけでダーン・コーヒーなら、「あなたの神経を損なうことなく、コーヒーの豊かなコクと香りを味わっていただけます。」
他に20世紀初頭は、コーヒーが長寿に効果がある逸話がよく使われていたそうです。
1906年7月に「紅茶とコーヒー業界誌」の編集長ユーカーズの記事にこう書かれています。
「この代用品の広告は、きわめて熟達した技術を駆使してコーヒーを勢力的かつ容赦なく攻撃し、その結果、日常的にコーヒーを飲んでいた何千人という人々が飲むのをやめてしまった。」
ポストの広告がコーヒーに痛手を与えた事は間違いなく、コーヒーの広告主達が、肯定的なイメージは味と同じくらい重要だと理解するには少し時間がかかったようです。
つづく